H=B+Dについて

H=B+Dについて

 

ポケモンのダメージ計算式から, 防御(特防)面の耐久値は,

H×B  (H×D)

が高ければ高いほど大きくなることが分かる(多少の誤差があるので, 言及しない(したくない), 今度またどこかでするかも).

防御方面の耐久指数(以下, 物理耐久指数), 特防方面の耐久指数(以下, 特殊耐久指数)をそれぞれ,

H×B, H×D

と定義する. 上の事実から, このような定義は自然であろう.

ここで, 総合耐久指数(以下, 耐久指数)を,物理耐久指数と特殊耐久指数の和:

H×B+H×D=H×(B+D)

と定義する. これが高いことが, 耐久が高いことを大雑把に説明しよう.

説明として, 和であることの理由を述べる.

攻撃を受ける側のポケモンが, 物理, 特殊の2通りの技を1回ずつ受けたとすると, 合計のダメージはそれぞれのダメージを足したものになる. また、防御と特防にはダメージ計算上の関わりが一切ない. 他にもあるかもしれないが, 一先ず, これらの理由から, 物理耐久指数と特殊耐久指数の和が高いほうが, 耐久指数は大きくなると考えるのが妥当である.

 

H=B+D ⇒ 耐久指数が一番高くなる

が成り立つ. これを示そう.

まず, 仮定として,

H+B+D=C (Cは定数)   (P)

とする. これは, 努力値を振った際に, どのような振り方をしても, 上昇する数値は変わらないため, この仮定のもとで議論は正当化できる(もちろん, 4振りの有無で変わってしまうが, 変わる数値は少しのため, 個別に考えてほしい. いまはこの仮定のもとで話を進める).

H×(B+D)に, B+D=C-H   (∵(P))

を代入すると,

H×(B+D)=H×(C-H)=-H^2+H×C=-(H-C/2)^2+(C^2)/4    (Q)

となり, H×(B+D)はH=C/2 のときに最大となることが分かる.変形してCを消去すると,

H=C/2 ⇔ 2H=C ⇔ 2H=H+B+D ⇔ H=B+D

よって, 「H=B+D ⇒ 耐久指数が一番高くなる」は正しいことが示された.

また, (Q)より, |H-(B+D)|が0に近いほど耐久指数が高くなることも分かる(重要!).

 

注意)

この理論は,

H+B+D=C (Cは定数)

の仮定のもと正しい理論なのであって, これが成り立たない状況では上の主張は正しくない. H=B+Dという名称が親しまれているためこのような書き方をしたが, 実際には

「H+B+D=C (Cは定数)となるような条件のもと,

H=B+D ⇒ 耐久指数が一番高くなる」

とした方が正確である.

例えば,

H-B-Dが200-100-100のポケモンApと, 207-100-100のポケモンBpでは, ApのみH=B+Dを満たしているが, 明らかにBpのほうが耐久指数は高い. これは, 比較している2つが

H+B+D=C (Cは定数)の条件を満たしていないことによるものである.

また, 物理(特殊)受けを役割にもつポケモンについては,その役割を遂行するための努力値振りが必要なので, そのようなポケモンを育成する際にはこの理論は忘れてしまった方が良いかもしれない.

 

問題:進化の奇石を持つ(非最終進化(進化しないポケモンを含む))ポケモンは, 進化の奇石の補正の前にH=B+Dとすべきか, 補正を加味してすべきか.

解答↓

解答:補正前にH=B+Dとすべきである.

解説1:耐久指数はH×(B+D)だったので, 進化の奇石の補正を考えると, 耐久指数は

H×(B×1.5 +D×1.5)=H×(B+D)×1.5

となり, H×(B+D)が高ければ高いほど進化の奇石の補正を入れた後の耐久指数は高くなるので, 結論を得る.

 

進化の奇石の補正を入れると, もとのB,Dの値によって(H+)B+Dの値が変わることに注意!

例)200-100-100

H+B+D=400

進化の奇石→200-150-150

H+B+D=500

240-80-80

H+B+D=400

進化の奇石→240-120-120

H+B+D=480